ごみ収集の仕事は、地域の暮らしを支える大切な役割を担っています。
今回は、公社に入社して2年目の大澤さんに、仕事のやりがいや働きやすさについてお話を伺いました。
練馬区資源循環センター
資源循環推進員
大澤 優介(おおさわ ゆうすけ)さん取材日:2025年11月5日
公社を知ったきっかけと入社までの道のり
公社が管理している自転車駐車場で見かけた、練馬区環境まちづくり公社の求人ポスターが、大澤さんの人生を大きく変えるきっかけになりました。
大学を自主退学後、アルバイトをしながら将来について悩んでいた時期。「福利厚生がしっかりしている印象があって、民間企業とは違う安定性を感じました」と振り返ります。興味を持った大澤さんは家族に相談し、応募を決意しました。
書類選考を通過し、二次面接へ。面接では「応募理由」や「最近気になったニュース」などを聞かれました。
「ネットで事前に調べていたので、落ち着いて話せました。就活経験がほとんどなかったので不安もありましたが、“ありのままを話そう”と思って臨みました」
面接から約2週間後、採用通知が封書で届きました。
現場に出て感じた、仲間に支えられる働きやすさ

入社初日は座学研修を受け、翌日から石神井事業所での勤務が始まりました。
同じ時期に約10名が入社しており、年齢も経歴もさまざま。大澤さん自身は契約社員としてスタートし、勤務を重ねる中で正社員へとステップアップしていきました。
「研修は短期間でしたが、現場では先輩が積極的に声をかけてくれました。人見知りの自分でも、すぐに馴染むことができたのは先輩たちのおかげです」
石神井や桜台の各事業所には20代前半から50代後半までの社員が在籍し、収集作業は2人1組で行います。半年ごとにパートナーが変わるため、さまざまな先輩の仕事の進め方を学べて、困ったときに相談しやすい雰囲気があります。
「最初に組んだ先輩は今でも印象に残っています。仕事は必ず複数人で行うので、コミュニケーションがとても大切ですね」
1日の流れと、体力勝負の仕事に向き合う工夫

勤務は完全週休2日制です。6週間に1度日曜勤務がありますが、その分は週内に振り替えの休日があります。
朝のスタート
毎朝7時40分までに出勤。大澤さんは体力仕事に備え、7時前には事業所に到着し、朝食をとってから仕事を始めます。
7時50分からミーティング、8時から全員で腰痛予防体操を行い、その後それぞれの現場へ向かいます。
午前の作業
午前中は3〜4のエリアでごみ収集を行い、作業が終わると11時〜12時頃に事業所へ戻ります。
そのまま昼休憩に入りますが、班によって休憩時間に入る時間が異なります。昼休憩は必ず60分とります。それ以外に待機時間が15分~30分ほどあります。
午後の作業
午後の作業は2エリアを回り、15時前後に終了。
帰所後は15時30分からのミーティングで未回収ごみなどの確認を行い、15時50分から洗身。16時25分の定時に帰宅できます。
季節ごとに変わる負担と、続けられる理由
夏場は特に気温が高く、体力の消耗が激しくなります。車の乗り降りや重量物の運搬が続くため、膝や腰に負担を感じることもあります。
「スポーツドリンクや塩飴が支給されますし、空調服も貸与されるので助かっています。暑さに慣れるまでは大変でしたが、少しずつ体が順応していきました」
一方で、冬は体が冷えて固くなるため、ケガの防止には日々のストレッチが欠かせないといいます。
「全員で行う体操だけでは足りないので、個人でしっかり体をほぐすように心がけています」
地域の方と直接話す機会は多くありませんが、「いつもありがとう」の言葉や、ごみ袋に書かれた「お疲れ様です」というメッセージに気づくと、気持ちがふっと軽くなる瞬間があるそうです。
「きついと感じる日もありますが、地域の方の気遣いや言葉に励まされ、『この仕事を続けていて良かった』と感じます」
仕事を通して広がった視野と、人とのつながり

仕事を始めてから、大澤さんはごみの分別をより意識するようになったといいます。
「例えば『1家庭3袋まで』というルールは、まだ知らない人も多いと感じます。一度に大量のごみが出されると収集車に積みきれなくなってしまうので、もっと多くの人に知ってほしいですね」
事業所の垣根を越えて交流があり、キャンプやゴルフ、釣り、バイクなど、趣味を通じたつながりも増えました。
「人間関係で悩んだことはありません。本当に居心地が良い職場です」
練馬区環境まちづくり公社への入社を検討されている方へ

最後に、大澤さんに、この仕事を目指す方へのメッセージを伺いました。
「ごみ収集の仕事は機械化されにくいので、長く勤められると思います。また、残業はほとんどなくて完全週休2日制、ボーナスもある。本当に良い仕事だと思います。ただ、関節など身体に負担がかかる場合もあるので、その点を理解した上で、それでもやりたいと思う方にぜひ来てほしいです」
続けて、どんな人に向いている仕事なのかを聞きました。
「体力に自信があって、柔軟性がある人。コツコツと続ける作業が好きな人。それから、進路に迷っている方にも向いていると思います。自分自身もそうでしたが、一歩踏み出してみると道が開けることがあります」
進路に悩んだ経験がある大澤さんだからこそ、こう続けます。
「今振り返っても、あの時に挑戦して本当に良かったと思っています。これから新しく入ってくる方には、自分から積極的に話しかけたいと思っています。ぜひ一緒に頑張りましょう!」

